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2017GW オッサンたちと行く春の見仏 その1 /鞍馬寺

「僕も奈良いきたいよー」と同期のD君に言われたのは今年の冬だったか・・

 

いつもどおりJR東海ツアーズのぷらっとこだまプランで4時間。
京都の駅に降りたつと初夏の陽気というよりは、蒸した空気が暑苦しい。

 

三年ぶりにやってきました古都、オッサンたちでいく仏像めぐりツアー3泊4日の旅です。

 

 

新幹線の中、チケットおまけの缶ビールを飲みつつ
「Dちゃん、どこ行きたい?やっぱり三十三間堂とか、清水寺とか、あと東寺とか、修学旅行お決まりコースかね?」
と探りをいれると
「俺、鞍馬寺がいい」
と返答。

むむむ、さすが目のツケドコロが斜め上。

 

鞍馬寺かー、どこだっけ?


鞍馬の天狗、牛若丸、あと有名な毘沙門天さんがいらっしゃったよね。
天気もいいし、山寺の新緑はきっと気持ちがいい。
スタートとしては、ふさわしいじゃないかということで、目的地は鞍馬寺で決定です。

 

され、京都でもう一人のオッサンと合流です。
SNSで知り合ったWさん。


もともとmixi時代からの仏友で、「いつかいっしょに見仏しましょうねー」と言葉を交わしてきたのですが、ついに実現しました。
ということで、仏マニアのオッサン2人とそれほどでもないオッサンの3人で出発。

 

京都駅南口から塩小路通を東に向かうと鴨川を渡ってすぐ、蓮華王院三十三間堂の裏(正確には表か?)を通過する。
荷物が重かったこともあり、歩きはじめて数分で汗がでる。
東大路通にぶつかって南に下ること数分、
「はも料理 魚市」に到着。

 

※公式HPより拝借

 

まずは腹ごなしをします。
「京都といえば鱧。ハモ食べたいのだよねー。」というDちゃんのリクエストに応えて予約してあります。

 

ハモってうまいか?
梅肉ソースの味しかしないイメージ。
どうせ食うならウナギのほうがいい。
いやむしろ鰻は大好物。
しかも季節的は出始め、旬ではない。

川床で艶っぽい女性と一緒にいただくならまだしも・・

でもDちゃんはどうしてもハモがいいと言うし、僕もこれまでちゃんと鱧を食べたことがなかったなー。
お店の佇まいからも信頼できそうだし、まあいいか。

 

暖簾をくぐると「おいでやす、ようこそ。」と愛想がいい。
ちょっとテンションがあがる。
鱧の落とし御膳3500円をいただく。


まずはビールで火照った体をクールダウン。待つこと15分。

 

 

では、その鱧の落としをいただく。
二倍酢にワサビをのせて、ハムハムハム・・・
白身はたんぱく、皮の部分は、ぐにゅっとした触感。
骨切りがきちんとされているので、ほとんど意識できないほど。
魚身の風味がほんのり薫。

・・・・うまいか?

この風味を味わうことができない自分の舌を恨む。

 

 

「Dちゃん、どうだった?ハモ。」
「うーん、皮がいいね。」
「・・・まあ、いいや」

 

東福寺から出町柳まで行き、叡山電鉄(なんと良いネーミング)で鞍馬寺へ。

 


車両両窓がパノラマで、席も外側を向いている。みるみる緑が増えていく。
30分程度で終点鞍馬駅に到着。これほどお手軽に霊気満ちる場所に来ることができるとはすばらしい。

駅をでると大きな天狗がお出迎え。
雪で鼻が折れてしまって治療中だったことが海外で話題になったお方です。

 

本殿まではかなりきつい山道、階段を上がっていく必要がある。
さすがにオッサンにはきつい。そこは無理せずロープウェイに乗る。

 

※公式HPより拝借

 

狛犬が虎がいます。モンスターっぽい造形が秀逸。
本尊毘沙門天のお使いで、毘沙門天さんは、寅の月、寅の日、寅の刻に出現するからだそう。

本殿参拝広場(金剛床というらしい)の中央には、パワースポットの目印としてがある。
「宇宙のエネルギーである尊天(毘沙門天)の波動が果てしなく広がる星曼荼羅を模し、内奥に宇宙の力を蔵する人間が宇宙そのものである尊天と一体化する修行の場となっています。」らしい。

 

Dちゃん、パワー充電しています。

 

本堂横、光明心殿には、松久朋琳作護法魔王尊を奉安されている。
いかにも山岳信仰っぽい。
こちらがサンスクリット語で「サナートクマラ」。鞍馬の語源になったとか、金星から650万年前に地球の悪魔を退治するために飛来したとか、すごい物語になっている。

 

その先は、奥の院への入り口。
オッサンたちの顔色にやや疲れが表れているのが否めないが、肝心の毘沙門天、まだ見ていないよ。
少し先に進むと霊宝殿(鞍馬寺博物館)の看板が。250円払って中へ。

 

1階は、鞍馬山自然科学博物苑展示室。鞍馬の動植物の標本やパネル展示だけでなく、地質学、宇宙エネルギー?と小部屋ながらもスケールがデカい。館長の念いがギュっと詰まっている。
2階は、寺宝展観室として絵画・書・工芸・考古遺物、義経関連グッズが展示。

そして、3階が仏像奉安室。
国宝の毘沙門天三尊像に加え、等身サイズの毘沙門天立像が他に4体、まさに毘沙門ルームとなっている。
いずれも武将の格好をした厳つい姿だが、財宝の神。「よく聞く所の者」という名前の由来から四天王メンバーに入ったときは多聞天となる。
その国宝の毘沙門天は、左手は額の上にかざして眉間にはしわを寄せ、遠くを見つめている。北方警護に余念がない。
そして毘沙門天さんの目の表現がすごい。どうしたらこんなデザインを創造できるのか。

 

※公式HPより拝借

 

霊気とフトンチッドを体いっぱい吸い込んで下山。
もうパワーが目に見えて体内を渦巻いているのが見える。

でもオッサンたち3人は、ちょっと疲れたので、駅前の茶屋でしるこを飲んで一休み。


着信がある。その録音メッセージ、

 

「ちゃんぶーさん、電話つながらない。先に奈良に向かいます。」

 

もう一人のオッサンと合流する予定だったが、霊気と陽気で忘れていたww

 

 

 

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| 奈良・京都を見仏する | 07:46 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
2014GW 春の見仏 その5 /金峯山寺、如意輪時、興福寺北円堂

後輩君は長谷に行くという。
長谷寺では、GWの特別拝観実施中で、内陣に入り、長谷観音とボディタッチで結縁できるイベントが実施中です。
うーん、ここはひとつ僕も結縁しておきたいと考えたが、是非お会いしたい尊像がいます。
金峯寺金剛蔵王大権現だ。

奈良駅で手にしたパンフによれば表向きは世界遺産登録10周年、実質は、仁王門修復の勧進のための特別開扉です。(最近ちょくちょく開扉しているみたいだけどね)


何はともあれ、これは大チャンスだ。
遷都1300年で見逃した、青いモンスター(もちろん怒りと慈悲の神様)を感得したい!したいぞ!せねばなるまい!ということで近鉄奈良から吉野へ向かいます。

西大寺、橿原神宮で乗り継ぎ、約1時間半、山岳信仰のメッカへ到着。

終着駅。そこからロープウェー(360円)には乗らずに、横道を登って自走する。



GW連休の初日ともあって、人出も多い。というか、人気の観光地なんだな。
参道にはずらっとお土産屋さんや食事どころ、宿がならぶ。
ニコニコ笑顔のおばさんが”葛きりだべていってー”とこちらを呼び止める。
なんとも誘われたい感じ。
でも、まだお参りしてないよ。

で、その仁王門は工事のシートで覆われていました。
ただし仁王さんの顔は拝めるようにケアしてある。
風化が激しく、全体が白い。古様なイカツイ風情。




参道の終点が階段となっていて、上った右手に本堂がドーンを現れる。
国宝蔵王堂。

でっかい。
パンフには、東大寺の大仏殿に次ぐ日本で2番目の大きさと威張っている。
まあデカい。
入り口で写真を撮っていたらおばさんに「あーっ」とかわいく睨まれた。
本尊を撮るつもりじゃなかったのです。すいません。
目をこらすと、凝らさなくとも、奥の須弥壇、倉庫のように巨大な厨子の中にみっちり納まった3体のお姿。



ウワサ以上の強烈です。

長谷の観音様のパワーもすごいが、こっちはモンスター×3体である。
ドラクエでいうと1から2になったくらい凄いです。
靴を脱ぎ、靴袋(お持ち帰り可)に入れて、パンフとお札をいただく。
拝観料は1000円だが、何故か参道のめし屋で900円で売っていたのでそれを利用。

興奮冷めぬまま。順路に従って内陣へ入ります。
入り口左右に置かれた持国天・増長天のカッコいい。
ななめ下から見上げる雰囲気は、室生寺の十二神将に似ている。

「参拝をご希望ですか?」
すかさず「YES!」と答え、本尊最寄の個室をあてがわれる。
障子の衝立でビデオ個室鑑賞のようなお祈りスペースが追加料金一切なしで用意されています。
靴袋といい、お札といい、どんだけ拝観者想いのお寺さんであるのか。
横ではゴマ祈祷が行われているため、BGMも万全です。

厨子の枠が邪魔で3体を拝むことはできないが、7メートルを超える真ん中の中尊を拝む。


蔵王権現の姿を仰ぎ、ドンドンドンと祈祷のビートに身をゆだねると尊像の巨大なパワーがこちらに乗り移り、体の奥からジンジンしてくる。

この蔵王権現の解説が面白い。

権現とは仮の姿、よく悪の権現とか言われるけど。日本独自の仏(姿)であり、その異形も日本であみ出されたもの。
7世紀後半に奈良の葛城山に住む山岳修行者の役小角(えんのおづぬ・役行者とも)が大峯山の山上ヶ岳で感得したという。
小角はその地で千日の修行をした際に、衆生を救う仏の出現を祈った。
最初に現れたのは釈迦如来。しかし小角は、その姿では乱れた今の世の猛々しい人々に響かない、と訴える。
次に現れたのは千手観音。観音はさまざまな姿に身を変えて救ってくださるが、小角はやはり乱世にふさわしくない、と言う。
次に現れた弥勒菩薩にさえ、首をたてに振らなかった。
どうか、世に満ちた悪を打ち払うような強い仏を!!!
そう望んだとき、地が揺れ、雷鳴が轟き、岩を割って現れたのが蔵王権現だった・・・・

とのこと。(以上、JR東海スペシャルサイトからコピペ)

ここの蔵王権現の大迫力にはハリウッドもびっくりなわけであるが、
それ以上にすごいのが役小角。仏さまに向かって”出直してこい”とあれこれ注文するすごい人です。

もう一軒(寺)かねてから拝観したかった如意輪寺へ。
山をさらに奥にすすむこと30分ほど、金峯寺と谷をひとつ挟んだ山腹にあります。
本尊は名の通りであるが、残念ながら開扉は桜の時期だけ。
お目当ては、ここの宝物館、運慶の高弟である源慶作の蔵王権現です。



つい先ほどに巨大なモンスターを拝んできたばかりで、こちらの尊像は80cmほど。
いかにもコジンマリした御姿だが、水晶の三眼がギラつき、表情は童子様で、とても強い生命力がギンギンみなぎっています。


全身には精巧な切金模様が入り、幾多にも重なり燃える火焔光背のデザインもすばらしい。
トラのパンツもよく似合っているなぁ。
なんと源慶は、興福寺北円堂本尊の弥勒如来像も運慶の指導の元で静慶と製作したと伝わる。

奈良に戻ったのが16時半。その北円堂に立ち寄ります。
無著・世親の兄貴に別れの挨拶をして、2014年春の奈良の見仏は終了です。


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| 奈良・京都を見仏する | 22:58 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
2014GW 春の見仏 その4 /新薬師寺、円成寺
今回の主目的である”柳生街道を歩いて円成寺にいってみる”にチャレンジします。
昨日、会社の後輩君と合流しました。
「GW、いっしょに奈良かい?ハイキングするかい?」とお誘いしたのです。ふふふ。

スタート地点となる新薬師寺から円成寺までの約12キロ。


朝食をとり、予定通り8時半に出発。
絶好のハイキング日和。日差しが熱い。すぐにTシャツ一枚となる。
途中、福知院を覘くが、丈六のお地蔵さんは御簾の中で、まったく拝むことができません。

30分ほどで新薬師寺到着。我々以外の拝観者はいない。
薬師如来と十二神将にご挨拶。


いよいよ、街道入口にさしかかる。
警備小屋にオジサンが2人、なにやら談笑している。
こちらに気づき、笑顔で見送ってくれます。


新緑のトンネルのような道を進み、山に入ります。
車がゆうに通れる幅があり歩きやすい。
ややや、1メートルほどの蛇だ。我々の前を素早く横切る。
ややや、ランニングのマダム2人。まじかよ。

1時間ほどで、第一ポイントの首切り地蔵に到着。
ルートはここで2手にわかれる。道案内をしてくれたおっちゃんのおすすめで地獄谷コースを選択。
予感通りちょっとここから険しくなります。
道が狭く、アップダウンが激しい。歩きにくい。膝がガクブルだ。




30分ほどで、地獄谷の石窟仏に到着。息が切れる。
小休止して、峠の茶屋を目指します。
峠の茶屋をみつけると、店のおっちゃんが「だんごあるよー、うどんあるよー」と呼んでいます。
だんごとは、わらびもちのことのようです。
疲れた体には甘いものがほしい。小腹も空いた。
「今から作るから、30分待ってて」
おいおい。
いくらなんでもそこまでゆっくりはできないですw

取り急ぎラムネをもらって、おっちゃんとお話しをします。
・・・おっちゃんの30分以上話は続きます。

やっぱりわらびもちが食べたくなる。
「これから作るとなると、45分以上かかると思う。今日は、あんたら以外来ないと思うし。」
残ってしまうので作りたくないようです。察し。



ゴールまであと5km。黙々と歩きます。

出口付近で山桜に惹かれて、県道に出る。
茶屋での休憩を差し引けば約3時間のハイキング。

6年ぶりに、円成寺の阿弥陀様にご挨拶。
相変わらずの優しいお顔。
思えば、初めて来たとき、本堂へ踏み入れた瞬間、その異次元空間に包まれトリップしました
暗い堂内、鼻腔をさす、木と香と黴の匂い。永い時間の累積。
正面にひときわ輝く柔和な阿弥陀。
「それでいい。成すがままに。」と一言教えてくれました。たぶん。




多宝塔の国宝大日如来をのぞき見メガネで拝見し、茶屋でビール。
至福。平安時代ここ円成寺の浄土式庭園で貴族たちは船を浮かべ歌を詠んだ。
おいら達はスーパードライで、悠久の時を想う。
あてにナスとこんにゃくの田楽。旨い。さらに、後輩くんは、草まんじゅうをオーダー。
たとえ貴族といえどもこんなうまいビールは飲んでいなかったでしょうね。どうじゃ!


中ビン3本を空け、ヘロヘロ。
お迎えのバスに乗って、極楽浄土より奈良市街へ舞い戻ります。

【おまけ】

うわさのライスカレー、田川@市役所北

ご飯が日本昔話。そしてルーはカレー皿なみなみに注がれ、沼のようだ。
ルーが足りなければ無料で”追いルー”をやってくれます。
乳酸菌飲料(ヤクルト風)つきで600円。なんて良い店。


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| 奈良・京都を見仏する | 20:43 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
2014GW 春の見仏 その3 /薬師寺、東大寺

いつもJR東海のCMには心惹かれます。
この春は薬師寺です。

ということで、この日のテーマは、
「あなたは、いにしえの時を漂う。いま、ふたたびの奈良へ。」
です。

いにしえを漂うのであれば、電車やバスは使っちゃだめだろうな・・
じゃあ、歩いてみるかとグーグル先生でルートを調べる。
近鉄奈良から1時間半あれば十分到着できる距離です。

奈良駅前のスーパーホテルやなか卯などの商店街は更地となって再開発が進んでいる。
街並みも少しずつ変わっていくなあ。
のどかな宅地、畑を抜け、佐保川沿いにあるく。鳥がいっぱい鳴いている。


歩く。暑い。腹が鳴る。
近づくにつれ、やややと驚く。

遥か向うに見えるストライプの巨大なストラクチャー。嫌な予感は的中する。
南門に回り、伽藍へ踏み込む。
入道雲立ち込める晴天のもと堂々たる朱色の伽藍。
シルクロードの終着点と位置づけた、この伽藍のシンボル東西の両塔。
その東塔は、残念ながら工事中であった。CMはほんとうまく作ってあるな。





気を取り直して、金堂に入る。
本尊薬師如来の威厳、日光・月光菩薩の麗しさ。
あくまでも静かに、時空を超えた存在感が生み出す、不思議な空間。
火事によって、体を覆う鍍金が溶けて内部の銅と交わり、その体は黒光りしている。
巨大な光背は江戸時代の後補であり、金色に輝く。
このコントラストがたまんない。もし全部黒かったら沈みこみ、全部金色だったら発散してしまう。

充分にいにしえの時を漂った後、玄奘三蔵の八角堂を拝観します。
玄奘三蔵、つまり夏目雅子さんの納骨堂です。(うそ)
薬師寺の開祖道昭は、玄奘三蔵のお弟子さん。


「不東」という二文字が額に掲げられている。

中国からインドを旅して、仏教の奥儀を持ち帰るまで、わし、死んでも帰らん。
という強い思い。水が無い中タクラマカン砂漠をさまよった際に誓った言葉とか。
かっこいい。
ついでにいうと、この砂漠をさまよってぎりっぎりになっていた時に目の前に現れたのが、僕の大好きな深沙大将(じんじゃだいしょう)で、沙悟浄のモデルだといわれています。

その足で唐招提寺へ。
ここでは、内部には入らず、山門から本堂を写真に収める。



奈良へ戻り、猿沢池のベンチでいにしえを想いつつ缶ビール×3本。
そして大仏様にご挨拶。

明日は、聖武天皇祭でみなさん準備に忙しい。
その後、二月堂に上がって美しい景色をしばし眺める。

人も街も時間と共に変わってしまう。
変わっていけない心があり、守り伝える教えがある。

あおによし ことのゆうやけ ぼくねむけ

美しい場所、時、心持ち。






【おまけ】

昔から気になっていた焼肉屋さん璃衛
三条通からちょいと入ったところにある昔ながらのロースターで焼く焼肉屋さん。
いつも地元の方々で満員でしたがようやく突入できました。
上塩タン、最高です。


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| 奈良・京都を見仏する | 22:08 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
2014GW 春の見仏 その2 /東大寺ミュージアム、奈良博
奈良の朝。東大南大門前には人だかり。
修学旅行生と、旅行者。ほんと中国人多いなー。
鹿のニオイ、仁王さんの姿をみると奈良来たなーっと改めて実感します。


今日の目的は、2011年10月にオープンした東大寺ミュージアムだ。

入場券を買う。
入場料500円。大仏殿拝観とセットだと800円。200円お得なわけであります。
「大仏殿の拝観は今日でなくとも大丈夫です」
よっしゃ。ならセットで!!


最新の空調・ライティング設備。
外の喧騒が嘘のように、ここは人が少ない。ガキどもとやかましい中国人は大仏殿に行っちゃってください。

ひっそりとした空間。目がなれるまでしばしかかる。
まずお目にかかるのは、八角灯篭の羽目板天女(創建当時のもの)だ。
ふっくらした顔は当時の大仏の表情と共通する。
大仏須弥壇から発掘された刀や装飾品、祭事で使われた面が並ぶ。じっくりと鑑賞する。

中央室のメインキャストである巨躰が目に飛び込む。

出ました!
以前は、三昧堂(四月堂)のせっまいお堂に閉じ込められていた千手観音。
どっしりとした体躯。頼れる母ちゃんタイプ。張りがすごい。
42本の脇手は、通常細く表現されるがこちらの像は、全てが主たる腕と均一に太い。だからたくましい。
横からの姿の重量感は一層である。
ずっと見ていると、エイリアンのように見えてくる。日本的じゃないというか、チベットあたりのデザインっぽいというか。
左右には、これまたオーラがすごい、法華堂(三月堂)からの日光・月光菩薩。
ガラス越しとはなるが、最適なライティングによって、反射は無く、存分に見仏できるのが良いです。


隣室に移ると、弁才天と吉祥天。
ふくよかな顔、妖艶な眼光。色っぽいくちびるにイチコロである。
弁才天の姉さんに六臂でコネコネされちゃったらボクたん、もう・・・・
生生しさの反面、修復後となるが、指先の塑土が剥げ落ち、木芯があたかも骨のように露出し、ギュっとなる。


8世紀の古像から溢れるエロスエネルギー。参りました。

お次は、鹿と戯れる小学生やカップルを横目に、奈良国立博物館へ。


奈良で鎌倉仏?鎌倉国宝館で見てるじゃん。
いやいや、もちろん国宝館の収蔵品が中心だが、何やら鎌倉周辺の寺院、慶派部がかき集められての特別展なのです。

昨日は京都で、運慶の息子、湛慶渾身の千手観音様を拝観後、六波羅蜜時で運慶・湛慶の父子像に挨拶しようかと考えた挙句、スルーしちゃいました。
そして、奈良でも慶派です。この流れ。


ここでもオイラには”友の会パスポート”がある。エッヘン!

会場に入ると、小さなケースに50cmほどの毘沙門天。
顔が剥離してなんじゃこりゃという印象であったが、よくよく見て見れば素晴らしい像。
高野山八大童子の指徳童子に似たやんちゃな表情。兜と鎧のリッチなボリューム、全体の流れ。
清雲寺とかいうお寺さんからご上京。まったくの初見です。
この像に出会えただけでラッキーこの上ない。充分にもとは取れた!

背後には、辻薬師堂出身の十二神将がずらっと整列。
ホームの鎌倉だと、薬師三尊を取り囲み、見る者と同じ高さに立つため、迫力がない。
奈良では1メートルほどのステージに挙げられて、こちらを睨み、見下す。この演出だけで、尊像の迫力がグッと増す。

それにしてもすごい数。その出陳品 53件(うち重要文化財26件)。
これだけ集められるのであれば、東博でもやればいいのに。10倍、いや50倍の浄財は集められるはずだぞ。なんてたって、ガラガラです。

センターを務めるのは、カバーガールでもある鎌倉のデボン青木こと水月観音さま。
2007年の秋、彼女に会いに行ったときは、お寺の方が照明をつけたり、消したりして、見せてくれた。
その美しさにメロメロだったが、彼女との距離は1メートルほど。
ぎりっぎりの30cmまで近寄って、ガン見することが出来る。
しかも後ろに回り込んで、うなじやヒップラインもガン見出来る。ガンガン見える。
あー、マイスイートデボン。。

ふぅ・・・

おなじみの初江王坐像や弁財天坐像(着衣)はもちろん、秀逸な慶派そして禅宗に関わる善派のすばらしい仏さまにお腹いっぱいです。

その後。デザート代わりに、なら仏像館を覘いて、踏ん反り返りました。

なんじゃこりゃ!!!!!


その名は、金剛寺降三世明王坐像。
丈六サイズ、デカい!明王、ゴツい!そして青い!
おまけにカッコいい!快慶の一番弟子行快の作とか。

降三世明王といえば三面八臂、二本の手で「降三世印」を結び、大自在天(シヴァ)と妻烏摩妃(パールヴァティー)を踏みつけているのが当たり前。
ところが、この像は一面で、しかも宝冠を被り、2臂で片手に金剛杵を持っている。火焔後背だけど台座は瑟瑟座ときた。で、向かって右を向いているのでその視線は恐ろしく鋭い。ヤンキーの兄ちゃんがウンコ座りして斜に構え睨む、ってやつね。なぜならホームでは、中尊の大日如来を守っているからとの説明。

今にも台座から飛び降りて、その金剛杵でガツンとやりそう。アフリカゾウでも一撃です。
こんな尊像見たことない。まだまだ勉強足りないっす。




【おまけ】奈良ホテルのビーフカレー(¥2,200-税・サ別)

ここ数か月、カレーにはまって、インド人を目指しています。
奈良へ来たなら、是非ここのカレーを食べたかった。
コクのあるクリーミな味わい。一口ごとに鼻腔に広がる至福の味。まさに醍醐です。


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| 奈良・京都を見仏する | 23:05 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
2014GW 春の見仏 その1 /三十三間堂、京博
正午前に京都へ到着。3年ぶりです。

天気はどんより、さてどうしよう。
計画では、このまま大津まで戻り、三井寺に行く予定でしたが、どんより雲で気分もイマイチ乗りません。
であれば、プランBに変更。

まずは、腹ごなし。

荷物を100円玉四枚入れてロッカーに預け、いざ第一旭へ向かいます。
ん?人だかり。交通事故?

いやいや行列です。ちょうど昼飯時だもんな。
並ぶ気も起らないので、三十三間堂にむかってぶらぶら歩くます。

しばらくして、うどん屋を発見。あんかけカレーうどんを注文します。
うまし。出汁が効いてる。ねぎがうまい。かしわがうまい。
表で売っていた稲荷も気になる。1個80円。
しめて750円。戦闘準備OKっす。

さて、初戦は、景気づけに蓮華王院三十三間堂。



拝観料600円。日本人、欧米人、中国人が3割づつ。拝観者は、多くはない。
だーっと、ならぶ1000体の千手観音。遠くは霞む。
いつみても圧巻です。
マンモス学校の全校写真。はたまた軍隊一個師団。そんなイメージが浮かぶ。
じっくり、雷神から、阿形、??、??と二十八部衆を眺める。等身よりやや小ぶりだが力強い造形。
中尊に近づくにつれ、名工の作が並ぶ。
いい顔!湛慶作とある。わかってる。

運慶の長男である湛慶は、この丈六の中尊を82歳の時に棟梁となって彫りました。自分の率いる慶派だけでは、到底できる仕事ではなく、円派、院派という別の仏師グループともコラボレーションしながら。すさまじい体力、知力、人間力です。


自分は今年で40を迎える。現代でいっても人生の折り返し地点だが、せいぜいこの先現役でできるのは20年たらず。いや、すでに今いるWEB業界では、いっちょ上がりの年齢です。もう若くはないし、腰も痛いし、ラーメンの大盛りは胸焼けするし。などと弱音を湛慶さんに聞かれたら檄が飛ぶな。
800年も昔の時代。生涯現役(マインドだけとなっても)こそプロとしての重要な要素だと感じます。

雨が強くなってきた。
遂に京都国立博物館に踏み入れる。

<特別展覧会>南山城の古寺巡礼

です。


赤レンガの美しい洋館。
京博はいままでずーっと工事をしていて、訪問することができなかった。
念願の京博。しかも国立博物館パスポートでの入場である。このパスポート、催事も年6回まで無料です!どうだ、まいったか!

「常設展は、9月からでやす!また、おいでやす!」
ぐわっし!!!
そうでやすか!ちゃんと下調べしてなかった自分が悪いのでやす。


さて、南山城とは、京都の南部、奈良との県堺の一帯をさします。
山深い一帯、笠置寺、海住山寺、浄瑠璃寺、岩船寺、蟹満寺、観音寺といった、古来からの寺院が点在し、仏像も奈良・平安と古く、生命力あふれる尊像が多く祀られている。

第一室は、南山城の歴史と文化として、土器や鏡などが並ぶ。

第二室、海住山寺。
アイヤー!と意味不明に感激するのは、彩色鮮やかな四天王像
図鑑で何度も見たあの(どの)四天王である。
グリーン持国天、レッド増長天、イエロー広目天、ブルー多聞天。
後補ではないかと思うほど、それぞれの顔色が鮮やかである。そして、かっけ―かっけー。
感激なのは、この4体、大きさが40cmほどしかない。1/48スケールのガンプラほどだ。
てっきり等身サイズかと勝手に想像していた。
この迫力は、細部まで彫りこんだ造形の妙か、尊像に宿った生命力か。
自室に飾りたい。推定20億くらいかな??(バチアタリ;)

第参室、笠置寺、
第四室、浄瑠璃寺と岩船寺。浄瑠璃寺からは多聞天を請来。この邪気、正面を向いて頬杖ついてヤラシイ笑みを浮かべている。
第五室には、南山城の古寺と題して、禅定寺や寿宝寺、蟹満寺、神童寺、観音寺から等身の像がならぶ。
神童寺からは、奇妙な不動明王、通称、白不動さんがいらっしゃった。

この不動像は、弁髪は垂らさず、両目は見開いている。
上半身は裸、下半身の裳は両ひざ頭を見せて身につける。
この尊像は、かの天台宗寺門派の祖、スーパーパワー円珍が感得したという黄不動さん(六本木で2009年に遭遇)と関わりがあるとか、ないとか。
しかし、顔面パーツはアンバランスに中央に集まり、ダルビシュ様。
腹はぽっくり出てカッコいいとは決して言えない。ただ、パワーはみなぎっている。

2tを超える重量の蟹満寺釈迦像はさすがに腰が重く招聘できなかったようだ。
聖林寺の美人妹で有名な、観音寺十一面観音様も残念ながらパネルであった。

やはり、改めて会いに行くしかないですね。

明日は、奈良の街を探検します。



:静観荘 1912年築とか。ちょうど100年です。
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| 奈良・京都を見仏する | 18:07 | comments(3) | trackbacks(0) | pookmark |
2011GW 春の見仏 その4 /高野山

高野山真言宗総本山金剛峯寺

5月2日、
いよいよ、これまで踏み込むことがなかった大本山中の大本山(?)、高野山へ行ってみます。

:はーい、こうやくんです。

高野山といえば、空海が開いた大霊場にて、日本でも有数の宗教都市であります。
未踏の自分には、何かとんでもなく神秘的なイメージを持ってましたが、以前、南海電鉄による積極的な観光誘致活動やゆるキャラ”こうやくん”の活動を知り、だいぶライトな印象に変わりました。

もちろん、運慶作八大童子や快慶作深沙大将など、とんでもなく個性的な仏像の数々を有し、これらを是非とも一度拝んでおきたいっていうわけであります。

奈良からJRで新今宮までいき、そこで特急こうや1号に乗り換えます。
橋本を経由し、特急電車は山道をどんどん登って1時間15分ほどで極楽橋に到着。
さらにそこからケーブルカーて高野山駅へ。
ここまで片道3時間ほど。帰りは14時半のケーブルカーに乗る必要があるため、自由時間は、正味2時間程度です。




高野山の街は天空の盆地に開拓された宗教都市で、けっこう広い。
市街地までは、さらに高野山駅からバスを使って移動、西に位置する大門まで向かいます。

大門のバス停目の前で、力餅なる草もちのお店があり、ステップを降りるとお店のオバさんと目が合っちゃいます。ここまでの長旅の疲れと目的地についた安堵で、誰もがこの草餅に魅了される筈。



:力餅をたべればムキッ!

ぼくも1つ頬張り、すぐにその巨大な山門にこころ捕らわれる。
朱の鮮やかな巨大な門には、コンクリートのような色味をした仁王がセットで収まっている。

とても大きい。そして美しい。

大大本山にふさわしい逞しい門構えで高さは25メートルを越える。





一息つき、ここまで苦労して持って来たa-bikeを取り出し、お堂が並ぶ整理された道を中心部に向かって走ります。

ほどなく霊宝館に到着。
ここには今回の見仏ツアー、最大の目的である運慶作八大童子が格納されています。

入り口の看板を見ると「八大童子清浄比丘(しょうじょうびく)童子公開中」

・・ということは、この食いしばり坊主だけで他の童子は会えないという理解です(汗)


霊宝館HPを見ると、

鎌倉時代を代表する大仏師・運慶によって造立された国宝の八大童子像はあまりにも有名であり、それを目当てに当館に来館される方も少なくありません。霊宝館に行けば常に八大童子像が見られると来館していただく場合もあるのですが、実は常に見られる、という訳ではなく、文化財保護の観点から、現状では数年に一度、二躯程が主に夏の大宝蔵展で展示される程度であり、八躯全てを一度に見られる機会は少ないのです。
ちなみに元、八大童子像が安置されていたのは、現在、伽藍に建っている国宝・不動堂でした。

「少ないのです。」・・・って、

なんて他人事な!!!!!!!


気を取り直し、入館(600円)すると最初の部屋正面で、阿弥陀如来がお出迎え。

その横に不動明王、愛染明王と続く。

そして、後ろで圧倒的な気を放っていたのが、快慶作の四天王なのです。

現存する四体が揃っているのはこれだけ。しかし何故か国宝ではなく重文。
もちろん全てが快慶作というのではなく、解説でも広目天だけが本人作であとは弟子たちとの合作のようです。

漆黒の四天王は、像高こそ1メートルほどで、写実的でありバランスが現代的で

全くもってカッコイイ。



そう何処を切り取ってもカッコイイ!

この作りの美しさが快慶の真骨頂なのでしょうか。
これまで”僕はやっぱり運慶だよな〜”とテキトーなことを行っておりましたが、快慶の創りだす耽美的な世界を四天王に感得してしまうとは。

この四体を見るだけでも遥々高野山を訪れた甲斐は充分にあります。

お隣りの部屋で、清浄比丘童子は、寂しく立っています。
長身ながら、小さく、細い・・。

・・
・・・

本館紫雲殿に入ります。
和洋の要素を取り入れた建物がすばらしい。

巨大な来迎図をはじめ数々の仏画と高野山各所における仏像をここに収集し陳列されています。独特の空気に包まれる中、ゆっくりと拝観。

出口となる放光閣にて、マニアな仏像好きに圧倒的な人気のある「深沙大将」と「執金剛神」でしめくくりです。

それを見て、同年代の男子誰もが心に想う、口にする「ジョジョだ!」と。
ネタになるくらいの奇抜なイメージです。

:お土産ポストカード


わかってないことが多いのか、はたまたあまりにも奇抜なためか、彼らは国宝でも重文でもありません。伝えでは快慶と伝えられるだけあって、確かに美しい。やっと会えました。

ちなみに、彼は仏教を保護する善神です。
玄奘三蔵がインドへ行く途中、砂の中から現れ、玄奘を守護した沙悟浄と伝えられますが、こんなの出てきたら絶対喰われると思います。

金剛峯寺、本殿で世界平和と震災復興と健康と財運と夫婦円満をお願いして下山です。






大本山めぐり、もうちょっと続きます。

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| 奈良・京都を見仏する | 13:26 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
2011GW 春の見仏 その3 /奈良東大寺周辺

5月1日

朝起きて、東寺の日光菩薩に会いたくなり京都へ。

東寺は、日本における密教のルーツ。
弘法大師空海が開いた真言宗総本山です。

拝観受付横の気になる土産屋さんを横目に、まっさきに金堂へ。
講堂ともに両建物のスケールは何度見ても壮観ですが、現在その講堂は外壁を修理中。


:新商品帝釈天ポスター100円

もったいぶって金堂にそのまま入らず、お堂を一周しようと南側へ回る。

遠方から来たという車椅子のおばあさんのために、お寺の人が特別に巨大な扉を開いて薬師さんを見せています。
ありがたいありがたいとおばあさんがいうので、僕もありがたい気持ちになりました。


中に入り、1年ぶりのご対面

あー日光菩薩。ラブ。


GW中は、春季特別公開で国宝館では、「東寺の五大尊像-怒りの群像-」展というそそるタイトルの催事をやっています。

東寺の所有する日本最古、いわば全ての原型となっている五大明王の仏画を中心に、毘沙門天や大黒天などの天部を「静かな怒り」、明王を「爆発する怒り」とテーマ付け。

説法でよく聞く、我々の三毒(貪(むさぼり)・瞋(いかり)・痴(おろかさ))を戒めるのが彼ら、元を正せば、その本尊の教えを表現したものと説明されますが、これらが作られた当時は、緊張関係にある他諸国からの侵略や天災や病気など、ヒトの力ではどうにも成らない、得体のしれないもの、ことに対して人間はずーっと祈ってきたのです。

怒りを生み出し、それを祈る。
そして、その怒りはひとの行動の原動力となる。
僕が嫁さんに怒られ続けているように。(ナンノコッチャ)

仏画の他にも、エキゾティックな兜跋毘沙門天立像や大黒天立像、愛染明王坐像などイカした仏像も展示されています。

:ムーッ


弘法さんの露店をしばらく物色して、バスにのり東福寺方面へ。

泉湧寺前でバスを降り、泉湧寺方面へ進むと門前左手に即成院があります。こちらには現世極楽浄土とよばれる阿弥陀如来坐像と二十五菩薩坐像が祀られています。

拝観料は無料ですが、500円を払うと内陣へ入り特別拝観できます。
これだけのスケール、ブツ量で祀られているのは、三十三間堂か目黒五百羅漢寺くらいでしょうか。


:クラスの記念写真のよう



泉湧寺山門をくぐるとJR東海のCMのようなしっとりとした情景になります。

戒光寺も入り口は開放され、どうぞ拝観くださいと迎えいれてくださいます。
小さなお寺で観光寺っぽくない雰囲気ですが、こちらの丈六釈迦立像は強烈です。

2棟が連結した独特な形をしたお堂天井いっぱいまでに立ち姿のお釈迦様。
身丈約5.4メートル、台座から後背部を入れると約10メートルのビッグ釈迦。
1丈6尺は約4.85メートルでお釈迦様の正式な身長だと言われています。(そう言われてるんです)

運慶・湛慶親子の合作らしいですが、金色の体が光輝き、髪や口唇、衣装の色彩も美しく、光背においては三越本店の天女像のように、極彩色のウネウネ様式です。
明らかに宗様式の影響が強く、大陸の貴族的な面持ちで、螺髪が大きく、爪が長い。

さらに、顎から、赤いシミが流れている様に見えるのは、血の跡だという謂れ付き。
後水尾天皇が即位争いに巻き込まれ暗殺者に寝首を掻かれた時に、このお釈迦さまが身代になったということから身代わりのお釈迦様と呼ばれています。

なんとも不思議なオーラに、完全にノックアウトされちゃって、甘茶を何杯もおかわりしちゃいました。

:ちゃらら・ちゃらら・ちゃらら・らーらった♪

:丈六!

:京都のおでかけ公式マガジン P-sideより

この先には、真言宗泉涌寺派総本山である泉湧寺となりますが、諸事情により引き返します。

JRで奈良まで戻り、国立博物館へ。

昨年1300年祭に合わせて、本館は「なら仏像館」というブランド名がつけられ、内容・展示方法もリニューアルされちゃいました。


従来の西玄関は閉鎖され、東口から入ります。
照明がいまどきのダウンライト式にかわり暗いです。

中央第一室には、先般上野で開催された東大寺展にて瞠目であった西大門勅額が目の高さで間近に見ることができます。額に飾られた梵天・帝釈天・四天王・金剛力士の八体の彫刻をじっくり心ゆくまで楽しむ。

第三室には、特別公開として法華堂の金剛力士像二躯がズンと立っています。
平成25年春まで法華堂諸尊の修復事業のため、山から降りて避難してきた二人です。

奈良時代に作られた脱活乾漆造の3メートルを越える巨像です。
この2体に睨まれ、体は硬直状態に。

永い時間をかけて蓄えられたパワーが尋常じゃありません。


横や背中側へ回ったり、下から覗き込んだり、法華堂では見ることができなかったディティールに近づけるのも博物館展示の良いところ。
修復事業後は、法華堂へお戻りなるのでしょうか。。


興福寺国宝館もプチリニューアルしたので覗いておきます。

2009年における展示会の入場者数で世界一に輝き、いまでは伝説となった阿修羅展。
凱旋した八部衆は、ガラスケースから抜け出し、ステージに並べられトップアイドル扱いです。
閉館間近にも関わらず、さすがに大人気!



ホール中央には、これまでどおり旧食堂(現在の国宝館)本尊である巨大な千手観音菩薩立像が立ち、その正面に阿修羅像が対峙する構成が面白い。
我々はその間にたって、彼らを拝むのですが、二人の視線には触れることは出来ず、ちょっと寂しい思いをします。

ちょっと寂しい一人旅。またそれも良し。

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| 奈良・京都を見仏する | 11:41 | comments(9) | trackbacks(0) | pookmark |
2011GW 春の見仏 その2 /奈良東大寺周辺

比叡蕎麦でお腹も満足して、帰りはバスで京都駅まで向かうことにします。

バスに揺られて美しい景色でも眺めながら、のんびり旅を楽しむつもりでありましたが、バスはひとつ前の比叡山頂が発着所となっており、すでに満員。

しかしながら、このバスを見送ると30分はまた待ちぼうけになってしまうので仕方なく乗り込む。
後方一番奥の座席の間に立つハメに。
バスはぐにゃぐにゃ曲がる山道をストップアンドゴーを繰り返し、車内は激しくシェイクされます。

僕に突如として降りかかった苦行とは、もうご説明不要。
気がつけば、市街地に入るまでの20分程度の間、立ったまま気を失っていました。

なんとか京都駅に戻り、奈良へ向かいます。
近鉄に乗って、東寺を眺め、ウトウトして約40分。
Back to NARA!ようこそ俺。

駅で暇そうに立っているせんとくんと記念写真。
疲れたアラフォー男子、ツーショット。

:そっぽを向くなよっ!

JR奈良駅前のスーパーホテル奈良が今回宿です。

:JR奈良駅のド真ん前です。

そそくさをチェックインを済ませ、部屋に荷物を置き、南大門の仁王さんに挨拶にいきます。奈良公園に入ると鹿のフンの匂いが、優しく自分をつつみます。

節電のためライトアップは無く、仁王さんの顔はよく見えません。
でもまたこうして奈良へやってくることができました。






4月30日。

スーパーホテルでモーニングのミニパンを10個ほど食べ、三条通を若草山を仰ぎ見ながら東へ。何はともあれの興福寺から東大寺のゴールデンコース。朝も早いので観光客はまだまばらです。

:スーパーホテルの無料モーニング。食い放題!バトル!

興福寺は、法相宗の大本山です。
駅から一番近い、国宝北円堂の弥勒如来、そして無著・世親は春秋だけの特別開扉。
彼らに挨拶するのがGW見仏のしきたりになっています。


今年も来ました、兄さん。

弥勒如来と合わせこの3体は、運慶晩年の作といわれ写実を極めた高僧の姿は、いろんなことを僕らに語りかけてきます。

いや、僕が語りかけるのです。

1年ぶり。あれからどんな月日を過ごしたか、大震災にあって何を思ったか、これらの自分はどう生きるべきか。

話も尽きないので、南大門に向かって、仁王さんと挨拶。
力強く、大仏さんを守る立ち姿はいつ見ても勇ましく、清々しく、そして使命感に燃えている。男の憧れです。


東大寺の正式名称は、華厳宗大本山東大寺。

山門には、右手に毘沙門天、左手に持国天が守ります。
これまで何度も見ていましたが、柵の間から覗きみると、毘沙門天の足元には地天女が支えていることを初めて気づきました。思わず目が合いドキリ。


大仏さまの前で、今回の震災で多くの方々が被災し、これから少しでも早くの復興を願い、また自然に対する人間の小ささ、自分の小ささ、だからこその人と人との和を願います。





若草山を散歩し、鹿を眺めて、ベンチでしばし瞑想。

気がつけば陽は傾きはじめたので、先に買っておいた山葵菜寿司を頬張り、新薬師寺へ。

新薬師寺は近年になって遺構が再調査され、七仏薬師、それも現在の本尊と十二神将が7セットで形成される大伽藍を誇っていたことが有力な見方であるという。

聖武天皇の奥さんである光明皇后が、あまりにも旦那の頭痛が酷いので寺院を建立したのが縁起だと言われていますが、そうであればそのくらいの規模があっても不思議な話ではないです。


その大伽藍にズラーっと並ぶ七体ならぶ薬師の群像を想像する・・



新薬師寺の隣には、奈良の大仏を撮り続けた小川泰吉の功績を伝える奈良市写真美術館があります。数々の仏像の真像を捉えた作品と昭和20年代からの美しい古都を映し取った作品が並びます。

シアタールームでは、彼の生涯を伝えるNHK制作の映像が流され、数人のオバちゃんたちがイビキを立てながら寝ている。気づけば自分もしばし瞑想タイム。


1300年前に国家プロジェクトとしてこの世の平和を願い建立された東大寺大仏。
戦乱こそない時代でも、自然の中で人間の力は小さく、それぞれの人生をそれぞれの立場で生きるしかない。
あきらめるということではなく、自分を見つめる場所、時間。

奈良は僕にとってそんな場所です。



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| 奈良・京都を見仏する | 23:16 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
2011GW 春の見仏一人旅は大本山巡り
 4/29-5/2、何度目かの京都・奈良ツアーに出かけました。

今回の見仏テーマは、「大本山」です。


もっとも京都や奈良の主要なお寺の多くは大本山率が高いのですが、
今回は少し足を伸ばしてこれまで訪れたことがなかったお寺をいくつか巡ります。

連休前、仕事が立て混んで出発前夜も帰宅したのが深夜1時過ぎ。
旅の支度もそこそに、荷物をリュックとトランクに詰め込む。
もちろん見仏専用のモビリティA-bikeも担ぎます。(ちょっと重いけど;)

発売日に予約したぷらっとこだまプランで京都に向かいます。
新たな強力見仏アイテム”XPERIA arc”を持っていく。
このarcのGPSがすごぶる秀逸に出来ていて、もしも山深い本山道中で遭難したとしても心強い見方になってくれるはず。

:XPERIAのGoogleマップ

新幹線だとドンドン移動している自分が神様になったように見える。
あ、いま実家の近くを通過している!と車窓を見れば一目瞭然なのですが、
別の視点を与えてくれるガジェットはとても楽しい。

さて、京都に到着し、いよいよ最初の大本山、
天台宗総本山 比叡山延暦寺へ向かいます。

比叡山へは、京都から湖西線にのって比叡山の入り口となる坂本駅まで15分程度で到着。
坂本駅からは、比叡山の登山口となるところまで西にまっすぐ、日吉大社の参道を進みます。
古くからここが聖地だったことを思わせる。


さすがに自力で比叡山を登る気力はないので、ケーブルカーに乗ります。
急勾配の坂道をほぼ斜面に対して垂直に登っていく。
山頂までは約2kmあり日本で最長だとか。


山頂は、標高600m超、気温10度。ヒンヤリします。
駅舎は明治時代に作られクラシックな建造でここから琵琶湖の眺めが素晴らしい。

駅から20分ほどで山門到着。

延暦寺は、今から1200年前に伝教大師最澄が開山し、数々の歴史的名僧を生み出した場所
です。慈覚大師円仁、スーパー法力の円珍をはじめ、法然や栄西、親鸞、日蓮といった教科書に出てくる多くのお坊さんが修行した場所です。

拝観料1000円。名門の見物料はいい値段する。
想像した以上に人が多く、一大観光地的雰囲気となってます。

巨大な伽藍の中央は国宝の根本中堂。
徳川家光が再建、ものすごく大きな茅葺きの屋根。

あー根本です。のっけから根本です。根本キタ!



靴を脱ぎ、回廊を進んで本堂へ入ります。

お堂の中の空間もこれまたすごい。団体客に混じって説明と説教を聞いちゃいます。

本尊は、2体の薬師如来。向かって左が坐像で右が立ち姿のもの。
須弥壇は、3メートルほど掘り下げた石畳の上に設置されているので、こちらからは如来の視線と我々の視線がちょうど一致するよう設計されています。

その間には5メートルほどの溝があり、これを煩悩の淵と呼んでいるという。
暗い淵からは、冷気が吹き、話を聞いている間も体がすっかり冷え込みます。

暗がりと距離で如来のディテールはわかりませんが、快慶チックにお顔、そして光背が美しい。

いただきます
ごちろうさま

命の平等、それを超えて命をつなぐこと、そのことに日々感謝すること
そんな説教をじっくりとまじめに聞く時間こそが、ありがたい。

中堂前には急勾配の階段があり、この上に文殊門があります。
中に入れるようになっています。階段のヘリの木が土踏まずを刺激し激しく痛い。
感覚が普段の不摂生を自覚させます。

楼上にはクールな文殊とそれを囲む四天王が守っています。


中堂を左手奥にすすむと大講堂です。
目を引くのが天井に掲げられた坊さんの肖像画の数々。

なにやら全日本肖像画美術協会総裁馬堀方眼善孝先生が書かれたものですが、その劇画チックでエキセントリックなタッチが見ものです。また全日本肖像画美術協会というのが気になります。

釘付けで見上げていたら首がおかしくなりましたが500円で図録「高僧乃絵傳」をゲットしてお土産に。



:境内にも劇画看板が並ぶ

宝物館には、20体ほどの仏像が安置されています。
注目は、五大明王とその眷属の羯羅童子と制多迦童子。

ここのセイタカは悪いよーw
悪さでは屈指じゃないでしょうか。


延暦寺は三塔といって、根本中堂のあるここを東塔、釈迦堂を中心とする西塔、修行場の横川の3エリアで構成されますが、時間都合からここで退却。
バスの待合所で、比叡そばを食す。
山菜にとろろ昆布、出汁の効いた、少しショッパイめの美味しいお蕎麦です。


体が温かくなり、空腹も満たされ幸せ観光見仏気分いっぱいでしたが、
この後、失神するほどの過酷な修行が待ち受けていました。その話は次回。

■リンク

全日本肖像画美術協会

比叡山へ行こう!

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| 奈良・京都を見仏する | 18:10 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
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